放送技術

撮影現場での調整と工夫が、3Dハイビジョンのクオリティーを左右する

 

3Dハイビジョンの制作に携わっています。今では誰もが耳にするようになった3Dハイビジョンですが、私の部署では20年ほど前から研究・開発を続けていて、博物館や遊園地などによくある3Dシアターのコンテンツ制作を手掛けてきました。

 

2010年は3Dハイビジョンを自宅で楽しめるテレビも販売される予定で、コンテンツ制作もますます需要が増えていくと思います。なにより新しい技術に常に触れることができて、その技術を応用して新しいモノを生み出せる喜びがありますね。


私の仕事場は、主に“現場”です。国内外問わず飛び回っていて、1年のうち東京で過ごすことのほうが少ないくらいです。基本的に3D撮影は、2台のカメラを用いて行いますが、より美しく、いかに目に負担がかからずに観てもらえるかは、現場での調整によるところが大きい。さらに、撮影環境に応じた“工夫”も大事。空撮、水中、寒冷地に熱帯地方など各環境で撮影がよりスムーズに行われるために、カメラを載せる台や周辺機器など「こんなモノがあれば便利」「この装置、もう少しこうなれば良いのに」というアイデアを出し、メーカーに要望を出すことも仕事のうちです。

 

歴史の浅い3Dの分野だからこそ、どんどんアイデアを出して新境地を切り拓いていける…そこに魅力を感じます。
 

 

放送技術本部 3D高精細センター

重田 清次(1991年入社)

 

テロップやナレーションを加えて、映像を「仕上げる」仕事

 

 

放送技術本部 送出技術部 送出運行

貴志 俊樹(2005年入社)

現場から届いた音声と映像に、解説などのナレーションをミックスしたり、テロップを載せて番組を送出するといった業務を担当しています。私が担当しているのは主にスポーツ中継です。

 

日本のプロ野球などは、解説者も実況アナウンサーも球場に足を運んでいますけど、世界各国で行なわれるスポーツの場合、スタジオで映像を観ながら解説や実況することが多くあります。その際、音声レベルなどのバランスを調整してミックスしないと、会場の歓声が大きすぎて実況が聞こえなかったり、逆に実況音声が大きすぎて会場がシーンとして臨場感が伝わらない、といったことが起きてしまいます。その調整を行なったり、日本語のテロップを載せたりするのが主な仕事ですね。

 

また、海外からの受信にはトラブルもつきものです。生中継で回線障害が起こった場合には、すばやく静止画に差し替える作業も担当しています。一言でいえば、映像加工の最後の仕上げ段階を担い、障害が生じたらバックアップする業務ですね。とても重要なポジションだと思います。
 

将来的には、サッカーのワールドカップやオリンピックなど、大掛かりなイベントのテクニカルディレクターをやってみたいですね。今後は、全体をコーディネートできるスキルを身につけることができればと思っています。

 

 

24時間、国内外から届くさまざまな映像のクオリティを調整・管理する

 

 NHKには、24時間国内外からさまざまな映像が送られてきます。その映像レベルや音声レベルのクオリティがNHKの技術基準をクリアしているかどうかをチェックして、基準を満たすように調整することが私の仕事です。


この場で音声レベルなどを調整することもありますし、現場の収録環境を改善してもらえるよう依頼することもあります。緊急災害時など突発的な映像を送る時、NTTなどの通信会社に回線の確保を依頼する場合があるのですが、その手配なども担っています。

 

この業務は通常3人チームで、2交代制です。というのもヨーロッパやアメリカをはじめ、世界中から送られてくる映像を24時間誰かが常にチェックしている必要があります。また、緊急ニュースだけでなく、各国・各地域のローカルニュースやスポーツ中継なども対応してるので、正直なところ結構大変です。

 

私は2007年入社ですが、所属が決まって最初に見学に来たとき、報道の現場特有のピリッとした緊張感に圧倒されました。最初は何をするにも緊張の連続で、特に生中継の映像をチェックする時などはかなり集中力を要しましたね。だからこそ、自分がきちんと対応して緊急放送なども無事流せた時には達成感とやりがいを感じています。

 

 

放送技術本部 送出技術部 報道技術

菅野 志帆(2007年入社)

 

番組の進行をアタマに入れつつ「自分なりの映像」を捉えること

 

 

放送技術本部 制作技術部 撮影

玉田 猛志(2002年入社)

NHKの生放送や収録番組の撮影を担当しています。学校での専攻とは全く関係のない分野なので、入社後にイチから学んできました。

 

最初に機材の操作を覚えて、次に先輩カメラマンの後ろで撮影方法を見学するところからスタートします。基本的に、あらかじめ何を撮影するかは決まっていますが「ただ撮ればいい」わけではありません。たとえば収録番組で、司会者とゲストが話をしている。その話の内容によって、表情を追ったりズームしたりと、その状況にふさわしい撮り方をしていくことが大切なんですね。番組内容や流れをしっかり把握して、その都度、自分なりの撮り方をしていくことが求められます。

 

その一方で“体力勝負”なところもありますね。朝早くから夜遅くまでカメラを担ぎっぱなしだったこともあります。また、番組によってカメラの台数も異なりますが、少ない場合だと、番組冒頭にある地点から撮ったらすぐさま別のところへ移動して撮影…といったこともあります。走り回りながら撮影していると、台本をチェックして流れを確認する暇もないほどです。

 

その苦労を乗り越えた結果、良い映像が撮れて、良い番組に仕上がった時の充実感はひとしおです。これからもどんどん腕を磨いていきたいですね。将来的には、紅白歌合戦の撮影も担当してみたいです。